書店の大学受験対策コーナーに足を運ぶと、いわゆるロングセラーの本がたくさん並んでいる。『英単語ターゲット1900』(旺文社)、『チャート式』(数研出版)、『入試現代文へのアクセス』(河合出版)など。「懐かしいなあ。受験生のときに使っていたよ」といった声が聞こえてきそうだが、個人的に気になっている問題集がある。「赤本」だ。 ご存じの人も多いと思うが、赤本は大学入試の過去問題集である。受験生にとってはおなじみの存在だが、「いつからあるのか?」「どのようにつくっているのか?」といったことは、案外知られていない。いや、そもそも発行元の出版社名すら知らない人も多いのではないか。 ちょっと調べてみると、2024年には表紙のデザインを一新するという変化もあったが、それが売り上げにどのような影響を与えたのか。今回のコラムでは、赤本の知られざるエピソードに迫ってみたい。 赤本を発行しているのは、京都市に本社
