さだまさし(73)は人生を振り返り、「こんなにしんどいことは、やりたくねえ」とつぶやく。波瀾万丈の道のりだった。ヴァイオリンの天才少年として期待され、13歳で単身上京。家業が失敗し、生活に苦労しながら学生生活を送るも、ヴァイオリニストの道をあきらめる。紆余曲折を経てシンガー・ソングライターとして活躍し始めると、映画製作で28億円もの借金を背負った。コンサートを重ね、30年かけて完済。まもなくソロ公演の回数は4700回を迎える。挫折をどう乗り越えてきたのか。(文中敬称略/撮影:近藤俊哉/Yahoo!ニュース オリジナル RED Chair編集部) 「借金を返済したら、引退しようと思っていました。30代、40代と厳しいスケジュールをこなしてきたので、これが続くとも思えなかったし。返済して責任を果たしたら、いつやめてもいいだろう、と。だけど、東日本大震災が起きたんです。その時に、自分の人生を自分
