公的年金や共済組合などアセットオーナーの間で最高投資責任者(CIO)に相当するポストの設置が相次いでいる。専門人材の不在で硬直化しがちだった運用の改善を促し、個々の基金の運用成果に格差が生まれる可能性もある。 独立行政法人の中小企業基盤整備機構は4月に「運用担当責任者」を新設した。初代責任者に世界最大規模の年金基金である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)で基本ポートフォリオ策定に携わった経験のある山下隆氏を起用した。山下氏は約12兆円に上る資金を運用する小規模企業共済を担当する。 運用資産約10兆円の国家公務員共済組合連合会(KKR)も、新年度入りに合わせCIO職を新設。約36兆円を抱える地方公務員共済組合連合会(地共連)も同じタイミングで、投資統括部長のほか、運用部門から独立した運用リスク管理監の2つのポストを新たに設置した。 これまで公的年金などの運用責任者は運用経験がなくても
