ロシアがウクライナに侵攻した2022年2月24日から3年がたった。泥沼化した原因は何か。『現代の「戦争と平和」 ロシアvs.西側世界』(ケイアンドケイプレス)より、元外交官の東郷和彦さんと元駐日ロシア大使のアレクサンドル・パノフ氏との対談の一部を前後編にわけてお届けする――。(前編/全2回) 対ロ制裁に効果はあったのか 【東郷】ロシアはウクライナ戦争が始まった当初、ウクライナから予想外の反撃を受けました。また、西側が一斉に経済制裁を科したので、すぐにロシアは音をあげると見られていました。ところが、ロシアは新しい状況に適応し、むしろどんどん力を増しています。 【パノフ】集団的西側はロシアに戦略的敗北をもたらすために、ロシアを包括的に抑止しようとしました。それは単にウクライナを援助するだけではなく、ロシアを政治や貿易、金融、文化、科学、スポーツの分野で孤立させるということです。 この政策が実施
