鹿児島県奄美大島で国指定天然記念物のオカヤドカリを中国籍の男3人が許可なく捕獲した事件で、奄美署と奄美市は12日までに生きていた約4500匹を島内の自然に返した。 市が奄美海洋展示館で預かっていた。捜査が終わり、8、9、12の3日間で、捕獲場所の海岸5カ所に放した。市教育委員会文化財課の平城達哉さん(34)らが各海岸の生息状況を調べ、専門家に相談しながら返す個数を振り分けた。 平城さんや署員が砂浜に放すと、すみかとされるアダンのある茂みへ向かう姿が確認された。平城さんは「密猟はほかでもあるかもしれない。関係機関と対策を検討する」と話した。弱っている約10匹について、市は文化庁に飼育・展示の許可申請を検討している。 起訴状などによると、3人は4月30日から5月6日までの間に約5000匹捕獲。文化財保護法違反の罪で略式起訴され、それぞれ罰金30万円の略式命令を受けた。販売目的だったとみられる。
