米アリゾナ州立大学を5月に卒業したロバート・トロウさん(21)は、正社員の職を得るのがこれほど困難だとは想像もしていなかった。推薦状や家族や卒業生の人脈に加え、JPモルガン・チェースでの夏季インターン経験もあった。金融専攻らしく、大学4年になって応募した300件の就職先すべてをスプレッドシートに記録していたが、結果は厳しいものだった。 面接に進めたのは全体の4%どまり。33%は自動的に不採用通知が届き、残りは返信すらなかった。「新卒向けの求人は非常に少ない」とトロウさん。「今卒業する知人は皆、就職活動に苦労している」と話す。 どの世代も、自分たちが困難な時代に労働市場に参入していると考えがちだ。2008年の世界的な金融危機時に就職した年代にとっては、その実感はなおさら強いだろう。実際、米国は2000年以降、3度のリセッション(景気後退)を経験している。だが、現在の新卒者は、とりわけ困難な状
