理事長がP社のコンサルに抗議の書簡を送るが、「3億円と確約した覚えはない」とはね返される。そのまま押し切られ、管理組合は1億5000万円もの「借金」をして3度目の大規模修繕を行なった。 その後、建物のあちこちで施工不良が見つかる。女性理事はNPO法人京滋マンション管理対策協議会(京滋管対協)に相談し、屋上防水はじめ不具合をすべて施工会社の負担でやり直させた。相談を受けた京滋管対協の幹事・谷垣千秋氏は、こう語る。 「P社は、過去に何度もトラブルを起こしています。今回も設計監理のコンサルティング料を安くして管理組合に近づき、施工会社に高い費用で請け負わせ、キックバックを受けとったのでしょう。管理組合には高い買い物になるのです。最大の問題は、管理組合のお任せ体質です。管理組合が判断能力を持たなくては、変わりません」